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RESEARCH
脳波計測用微小針電極

脳波とは,脳内の電気的活動を頭皮上などに置いた電極により計測される情報です.脳波計測には大規模な装置も必要ないため,てんかんの診断などにおいて古くから重要な役割を果たしてきました.また現在では,脳波を機械への入力信号として利用するBMI(Brain Machine Interface)研究も盛んに行われており,医療・福祉・介護分野での応用が期待されています.

皮膚の最表面にある角質層は電気抵抗が大きく,脳波計測の際ノイズの原因となります.そのため,従来用いられてきた皿電極による脳波計測では,皮膚の前処理や電解質ペーストが必要でした.一方,角質層を貫くことで電気抵抗を低減させるシリコン製の微小針電極がMEMS技術を利用して開発されています.しかし,シリコンは脆性素材であるため折れやすく,皮膚内に残留する危険があります.

そこで本研究室では,高靱性なポリマを基板とした長さ約200 μmの微小針ドライ電極を提案しています(Fig.2).この針電極は角質層を貫通するため,皮膚の前処理が不要となります(Fig.3).一方,真皮には届かないため痛みを感じることはありません.また,電解質ペーストも不要になるため,ペーストの乾燥により計測ができなくなるという問題も解決でき,長期計測が可能になります.これまでに,MEMS技術を用いた微小針アレイの製作法と,銀蒸着と多孔質パリレン膜を組み合わせた電極化法を確立してきました(Fig.1,4).

▶ 研究成果

Figure 1. Micrograph of the Micro-Needle Electrode.

   
 

公刊論文


Y. Nishinaka, R. Jun, G.S. Prihandana, and N. Miki, “Fabrication of Polymer Microneedle Electrodes Coated with Nanoporous Parylene” Japanese Journal of Applied Physics, vol. 52 (6), UNSP 06GL10, 2013.

 

Y. Ami, H. Tachikawa, N. Takano and N. Miki, “Formation of Polymer Microneedle Arrays Using Soft Lithography” Journal of Micro/Nanolithography, MEMS, and MOEMS (JM3), vol. 10, no. 1, 011513, 2011.