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RESEARCH
膜たんぱく質解析デバイス

<本プロジェクトはKAST「人工細胞膜システムグループ」との共同研究です>

膜たんぱく質は,細胞膜の中に埋め込まれて存在し,生命を維持する上で非常に重要な役割を担っています.例えば,今この文章を読んでいるあなたの頭の中では,多くの脳細胞が活動することで文章の意味を理解していますが,これは膜たんぱく質がちゃんと機能しているおかげです.脳細胞の膜に埋まっている膜たんぱく質が,Naイオンを細胞内に取り込み,電気刺激を伝搬させて脳細胞間で情報をやりとりしているのです(Fig.2).

このように非常に重要な膜たんぱく質ですが,その機能の理解はいまだ遅れています.なぜなら,膜たんぱく質は細胞膜内でしか機能できないためです.これまでは生きた細胞をそのまま使って解析が行われてきましたが,1つの細胞だけで何百種類もの膜タンパク質が発現しており,単一のたんぱく質の機能を調べるために多くの時間やコスト,さらに熟練の技術を要していました.

本プロジェクトでは,細胞膜を模した脂質2重膜を人工的に構築することで,単一の膜たんぱく質の機能を効率的・定量的に解析することを目標としています.これまでに,油層中で2つの液滴を接触させる「液滴接触法」を用いて,脂質2重膜の構築に成功しました(Fig.3,4).また,膜たんぱく質α-ヘモリシンを膜内に発現させ,その中を移動するDNAの電気計測や,接触した液滴の分離・再接触により膜を再構成する「Split-and-Contact法」の開発(Fig.1,5)など多くの研究業績を挙げています.

Figure 1. Split-and-Contact Device

 

公刊論文


R. Kawano, Y. Tsuji, K. Kamiya, T. Kodama, T. Osaki, N. Miki, and S. Takeuchi, “A portable lipid bilayer system for environmental sensing with a transmembrane protein” PLOS ONE, 2014, accepted for publication.

 

Y. Tsuji, R. Kawano, T. Osaki, K. Kamiya, N. Miki, S. Takeuchi “Droplet split-and-contact method for high-throughput transmembrane electrical recording” Analytical Chemistry,vol. 85, no. 22, pp.10931-9, 2013.

 

R. Kawano, Y. Tsuji, K. Sato, T. Osaki, K. Kamiya, M. Hirano, T. Ide, N. Miki, and S. Takeuchi “Automated Parallel Recordings of Topologically Identified Single Ion Channels” Scientific Reports, 3, 1995, 2013.

 

Y. Tsuji, R. Kawano, T. Osaki, K. Kamiya, N. Miki, and S. Takeuchi “Droplet-based lipid bilayer system integrated with microfluidic channels for solution exchange” Lab on a Chip, vol. 13, pp. 1476-1481, 2013.